時代を超えて、未来を描く:上村可織氏がProfoto B20 & B30で創り出す世界
執筆者:Profoto X SHOOTING MAGAZINE
上村可織 x Profoto B20 & B30 x SHOOTING

「Profoto B20 & B30」を使った、ファッションポートレートを上村可織氏に依頼。大手制作会社で撮影とライティングを学び、広告やファッション、音楽の分野で活動中の上村氏のスチルとムービー作品、インプレッションを紹介します。
テーマはタイムレス、近未来感
ここ数年、タイムレスなもの、ずっと残っていく普遍的なものに興味が出てきました。

上村可織さん(製品はProfoto B30)。
昔の写真集を見ても「今も好きだな」とか、「カッコいいな」と思える、そんな「時代性を超えた作品」に強く感動するようになってきた自分がいます。

メインライトはフロントトップから、B30 + RFi ソフトボックス オクタシルバー(150cm)を照射。
左右からシャッターを切るタイミングに合わせて風船を投げ入れる。
自分が写真を撮る時も、その時々で時代性はにじみ出てくるものの、その時の「自分自身が良いと思えること」が、普遍性に通じるのではと考えています。この撮影も、個人的に良いと思える感覚を重視したものを作りたいという思いから始めました。

過去におきた事はわかりますが、未来はわからないので、「近未来」を想像し、衣装要素は時代性を追わず、「いつの時代かわからないけど、未来的な衣装」というイメージで準備しました。
この1シーン目は、合計4灯使っています。黒バックで硬いライティングをすると、コントラストが強くなりすぎると思って、少しマットな雰囲気を出すために、メインライトは RFi ソフトボックス オクタ型 150 です。
少しニュアンスを入れるために、「B30 + OCF II グリッド + OCF II スヌート」を左下へ、右上から「B30 + スモールスポット」。右下から B20 をハレ切りしながらあてています。

メインのオクタは、上からブームで吊っています。普通のストロボだとジェネがついてくるので、動かすのが大変なのですが、B20&B30 はモノブロック一体型で可動範囲が大きい(動かしやすい)ため、光の感じを探りやすかったです。Profotoアプリを入れてあるので、出力を手元で制御できるのも助かりますね。
このカットに関しては、光はオクタ1灯で作っています。
普段は影が出ないように、バック紙とモデルの立ち位置の距離を開けて撮影することが多いですが、ここではわざと背景寄りに立ってもらっています。

オクタを使えばやわらかな影が落ちるので、そのグラデーションもキレイだと思いました。
オクタは仕事でもよく使っています。ボックスの中と外にディフューザーを2枚かけています。その分光量は落ちますが、B30なら最大出力が500wsあるので、このくらいの距離なら1灯で全身をカバーできます。
インナーの泡のようなドレスがフェミニンな雰囲気だったので、そこに「強さ」みたいなものを加えていきたいという話をしていて。上から防具のようなものもオンして、強さと柔らかさが共存するスタイリングにして頂きました。

ここでは風船を投げてもらったりして、そのタイミングでも撮っていますが、連写をしてもそこまでチャージでストレスを感じることはなかったです。

このビジュアルは、下にアルミシートを敷きました。より未来的な空間を最小限で出せたらいいなと。

右サイドから、スモールスポットを付けた B30 をシルバーの床に照射すると、複雑な反射がバックの白ホリに投影されます。B30のLEDが、光のニュアンスを作るのにとても役立ちました。

右上からハードボックスを使った強い光を人物と銀シートにあてることで、全体を照らしています。

また、光のムラができるように右奥から、「グリッド+スヌート」付きで、1灯あてています。衣装や足元にも光が反射して“キラキラ感”が増しています。
宇宙空間っぽい光です。ハードボックスやスヌートで、ポイントを絞って光をあてることで立体感が出せるので、このライティングにしました。

B20&B30 からは、ユーザー自身でフラッシュチューブやガラスカバーの交換が可能となった。ここではフラットフロント用グラスカバーに交換してからハードボックスに装着している。

LEDライトでムービー撮影も可能。今回、縦位置のムービーも撮影&編集しました。
新型は以前の B10 シリーズよりも、LED ライトの光量が2倍明るくなったと伺いました。撮影時からわかってはいたのですが、映像の撮影にも使えます。
今回はスタジオで作り込みましたが、次は電源確保が難しそうな外ロケに持っていきたいですね。少人数でコンパクトな撮影ほど、B20&B30 の機動性が活かせると思います。
ライティングは私にとってとても大事なものです。アートやファッション、音楽が好きなので、ファッションブランドの撮影などもプロフォトの製品を使いながら、どんどんやっていきたいです。
クリエイティブチーム:
フォトグラファー:上村可織 @kugworks
スタイリスト:オオヤカズマサ
ヘア:YAMA
メイク:Kayaki Susumu
モデル:Hanna Demidziuk(Donna)
インタビュー:坂田大作(SHOOTING 編集長)
BTS写真:谷川 淳
Webマガジン SHOOTING(シューティング)
インタビュー記事より抜粋
https://shooting-mag.jp/interview/18958/

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