Kutomi Hiroshi x Profoto「L600D・L600C」
執筆者:Profoto Japan
光と闇のあいだを描く
ファッションやビューティを中心に国内外で活躍するフォトグラファー、久富裕史氏。ロンドンでの活動を経て帰国した現在も、商業作品と並行して自身の表現を追求する作品制作を続けています。
久富裕史氏は、Profoto L600D と L600C を使い、「Forbidden Reflection – 禁じられた果実と鏡の向こう側」をテーマにしたスチルとムービーの撮影を行いました。
写真と映像の境界が曖昧になるなか、今回の撮影ではスチルとムービーを同時に制作。物語性のあるビジュアルを作りながら、L600D と L600C がハイブリッドプロダクションでどのような役割を果たすのかを検証しました。
『鏡の国のアリス』から着想を得たこの作品は、「光と闇」「現実と反射」「希望と欲望」といった相反する要素を描いたストーリーです。
「ただ製品を紹介するだけではなく、自分自身が取り組んでいるテーマと重ねながら作品を作りたかった」と久富氏は語ります。
光の世界の少女
最初のシーンでは、光の世界にいる少女と、鏡の向こう側に存在するもうひとりの自分を描きました。
当初は L600C を使用していましたが、より強いデイライト出力が必要になり、メインライトを L600D へ変更しました。
「L600D に変えた瞬間、光量の余裕を感じました。白の出方も非常に自然で、メインライトとして安心して使える印象でした」

今回の撮影では自然光とのバランスが重要でした。L600D は600Wの高出力に加え、バラスト一体型のコンパクトな設計を採用しています。移動や再セッティングも素早く行えるため、スチルとムービーが混在する撮影でもテンポを維持することができました。
色で描く境界線
物語が進み、少女が鏡の世界へ引き寄せられていくシーンでは、L600C のカラー機能を活用しました。
複数の色を重ねながら、光と闇の境界が曖昧になっていく感覚を表現しています。
「L600C は色の調整がとても速い。カラーフィルターを探したり交換したりする必要がなく、その場で試しながら作り込めるのが魅力でした」
Profoto Control アプリを使用することで、色味や明るさの調整も手元で完結。撮影の流れを止めることなく、細かな色の変化を追い込むことができました。
スチルとムービーをひとつのライティングで
今回の撮影では、5つのシーンをスチルとムービーの両方で制作しています。
通常であれば、スチル用と映像用でライティングを組み直すケースも少なくありません。しかし今回は、同じライティングを維持したままカメラを持ち替えるだけで撮影を進行しました。
「もしライティングを組み直していたら、時間内には終わらなかったと思います」

Profoto のライトシェーピングツールをそのまま使用できることも大きなメリットでした。普段から使い慣れたアンブレラやグリッドを活用できるため、スチル撮影と同じ感覚で映像ライティングを構築できます。
光を足すのではなく、光を整える
「侵犯・取り込み」のシーンでは、窓から差し込む自然光を活かしながらライティングを行いました。
曇天だったため自然光だけでは不足していましたが、L600D を窓の外から加えることで、自然な日差しの印象を補っています。
「作品だけを見ると自然光なのかライティングなのかわからない。それくらい自然に馴染んでいました」
L600D の高出力により、外光の補助としても十分なパワーを確保。ロケーションの空気感を残しながら必要なディテールを引き出しています。
光をコントロールするための選択肢
撮影ではブラックグリッドとホワイトグリッドも活用しました。
特に果実のシーンでは L1600D とブラックグリッド を組み合わせ、余計な情報を排除しながら視線を主題へ集中させています。

また ホワイトグリッド は、グリッド特有のコントロール性能を維持しながらもエッジを自然につなげることができるため、新たな表現手法として高く評価されました。
「L600D とズームリフレクター ホワイト、ホワイトグリッドの組み合わせは、ビューティ撮影でも大きな可能性を感じました」
撮影の流れを止めない
久富氏が繰り返し語ったのは、撮影現場における"流れ"の重要性でした。
スチルとムービーが同時進行する現場では、機材の準備や調整に時間がかかるだけでも制作全体に影響します。
L600D と L600C はバラスト一体型で持ち運びや設置が容易なだけでなく、アプリによるリモート操作にも対応しています。さらに HydroCTech™ 冷却システムによる高い静音性により、同録を伴う映像制作にも対応可能です。
「機材を信頼できることはとても重要です。撮影の流れを止めず、自分が作りたい世界に集中できる。その安心感がありました」
光で物語を作る
今回の作品は、光と闇の対立ではなく、その両方を知った存在の変容を描いた物語です。
L600D の高出力デイライトと、L600C の柔軟な色表現。そして Profoto ならではのライトシェーピングツールとの組み合わせによって、久富氏はスチルとムービーを横断する新たなビジュアル表現に挑戦しました。
写真と映像がシームレスにつながる時代において、ライティングもまたひとつのシステムとして考える必要があります。Profoto L600D と L600C は、そのための新しい選択肢となるでしょう。
Photo:久富裕史(No.2)
ST:SOHEI YOSHIDA(SIGNO)
Hair:TETSU(SIGNO)
Make Up:ITSUKI(SIGNO)
Model:Masha K.(WIZARD)
Movie Edit:村田充輝
Produce・Interview:坂田大作(SHOOTING編集長)
Interview・Txt:福田紀子
BTS:林田瑞穂(Photo)・佐原孝兵(Movie)・青木俊(Movie Edit)








